うさろぐ日記

”アフリカ、旅、貧困” 人生を哲学するブログ

夏秋トマト栽培について

夏秋栽培トマトの日照時間は10日間の合計で60時間は必要となるが、梅雨時期の6月下旬、台風時期の9月は日照時間が短くなるので注意が必要となる。

日照時間が足りないと花が落ちてしまう等の生理障害が発生し、収穫量が減ってしまう。夏の高温期で着花不良がおこるような場合はトマトトーンを利用して、着花を促す。

トマトトーンの使用方法の注意点として、大玉トマトは、花房あたりワンプッシュ吹きかけてあげればよいが、ミニトマトの場合は各花ごとにトマトトーンを吹きかけてあげる必要があること。また、生長点にかかると生育が阻害されるので、注意して散布する必要がある。

 

生育ステージ

夏秋トマト栽培では4つのステージに分かれている。

4月定植の作型で説明すると、下記のようになる。

 

ステージ1:定植直後の低夜温期

ステージ2:梅雨の多湿期

ステージ3:梅雨明けの酷暑期

ステージ4:お盆以降の低夜温、秋雨、台風期

 

一概に、夏秋トマト栽培で、夏を越した栽培をすると言っても、上記のように4つのステージを超す必要があり、これが夏トマトの栽培を難しくしている。

 

作付け時期の違いによる元肥の管理

気温が低い時期に定植した場合は窒素が効きにくいので、元肥は多めに施肥(4月末から5月上旬定植)

地温が低いときは、微生物による有機物の分解が遅く、肥料が聞きにくく、地温の上昇とともに微生物の働きが盛んになり、肥料が効きやすくなる。

 

基本的には、1反あたり窒素:10-15kg, リン酸:5kg、カリウム:5-10kg

*1

 

5月中旬~6月定植の場合は地温が上がっているので、元肥を少なくする
  • 地温があがるので、微生物による肥料の分解が早くなるので元肥は減らす。
  • トマトは追肥型栽培の作物なので、定植から1か月分の肥料があれば十分。理想は窒素成分で5kgほど。

窒素成分で5kg がどの程度の量かを計算してみる。

家庭菜園でよく利用されるNPKオール8の肥料で計算すると、

5㎏ ÷ 0.08 = 62.5kg / 1000㎡ となり、1㎡あたり63gの施肥量となる。

 

家庭菜園をしている人だと、数本しか栽培していない人もいるかと思うので、これをさらにブレイクダウンする。

まずは、1㎡あたりのトマトの株数を株間を30㎝、畝間を70㎝と過程して算出する。

 

1m÷0.3m÷0.7m=4.76 となり、

1㎡あたり4.76株のトマトが栽培されていることとなる。

つまり、先ほど出した1㎡当たりの施肥量を1㎡あたりのトマトの本数で割ってやればよいので計算してみると、

63g÷4.76=13g/1株 となる。片手だと軽く一握りで、20g程度なので、片手で二株に肥料を与えればちょうどよい計算となる。

トマトの株元に施肥するのであれば、トマトの株元から10㎝程離れた場所に棒などで穴をあけ、その穴に13gの肥料を入れてやればよいことになる。

 

潅水方法

トマトの生育に合わせて水やりや肥料を施す位置を変えていく。

1. 定植時は株元

2. 3段開花期はベッドの肩

3. 収穫開始期は通路

 

定植後の管理

  • カルシウムは細胞壁を作るのに必要だが、定植食後は気温が低いため根から吸収することが出来ずらいため、カルシウム剤の潅水や葉面散布をしてやる必要がある。

カルエキスなどのカルシウム資材の散布

  • 生育初期は葉面積が不足しているため、芽欠きを急いで行わない。芽欠きは側枝の花芽が見えるまでに行えばよい

6-7月の潅水量について

1-2段開花期は温度も低く葉の数も少ないので1回あたり500ml/株で5-7日間隔

3-5段開花期には、葉の数も増え、実も肥大しているので1回あたり1000ml/株で2-3日間隔

6段開花以降は、1.5-3L /株の潅水が必要。6月以降は、曇りでも20℃、晴れていると25℃以上になるので、晴れたら潅水をする。

潅水は10時までに終わらせるのが良い

 

樹勢判断の方法

樹勢診断は朝に行うのがよい。朝畑に行って、生長点の形を確認してみましょう。

1.栄養不足:生長点が立っており、葉が水平に広がらず、直立気味になる

2.栄養が適切:葉っぱが水平方向を向いている

3.栄養過剰:葉っぱが茎の方向に向けて巻き込むようになる。下の段の葉がねじれる

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樹勢診断方法

参照:https://www.takii.co.jp/tsk/kateisaien/tomato.html

追肥の方法

10アール当たり1500-2000本で、N成分は、1回あたり1-2㎏施肥する。

オール8の化成肥料だと、2.5-5 g/株の追肥量が必要となる。

 

潅水管理(7-8月)

この時期の潅水は、植物への水供給のみでなく根へ酸素と肥料を届けるという意味でも潅水作業が重要となる。

潅水量の目安として

朝5時に1株当たり1リットルの潅水をする。

朝8時に1株当たり1リットルの潅水。

夕方5時に1株あたり0.5-1リットルの潅水

 

着花について

7月下旬以降の花は、秋の収穫物

開花から収穫まで約50日必要となる。

仮に8月1日に咲いたとすれば9月20日ごろの収穫となる。

 

*1:1反は991.74㎡で300坪となる。1アールは100㎡なので約10アール。
ちなみに、1坪は畳一枚分の広さで約3.305㎡となる。